生理不順、生理痛(排卵痛)

生理不順、生理痛(排卵痛)は、女性の悩みの種です。
生理が来ない、生理が遅れる、生理が月に複数回ある、生理痛で鎮痛剤が手放せない等で悩んでいる方が非常に多いです。
漢方の古典である黄帝内経に、女性は7の倍数が基本とあります。
生理は28日周期が正しいのですが、これを大幅に前後すると未病と言われる病態になります。
生理不順のままだと、不妊症や女性特有の病気になりやすくなります。

生理不順は、子宮に注がれる血(けつ)が少なかったり、注がれる血が阻害されたりして起こります。
子宮や卵巣の冷え 子宮や卵巣を温める漢方薬が必要です。(人参湯、真武湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、温経湯等)
血虚(血の不足) 補血薬が必要です。(四物湯、当帰芍薬散、当帰建中湯、十全大補湯、芎帰膠艾湯等)
腎精不足(腎精が不足し、血も不足する) 補腎薬が必要です。(八味地黄丸、六味地黄丸、杞菊地黄丸、味麦地黄丸等)
瘀血(血流障害による汚れた血液が多い状態) 活血薬が必要です。(桂枝茯苓丸、桃核承気湯、通導散、折衝飲、牛膝散等)
血熱(血に熱がこもってしまう状態) 清熱涼血薬が必要です。(温清飲、黄連解毒湯、三物黄芩湯等)
肝気鬱結(気の滞りが起こり、血が子宮や卵巣に行きにくい状態) 疏肝薬が必要です。(加味逍遙散、抑肝散加陳皮半夏、四逆散、小柴胡湯等)
痰飲(汚れた水分の病理産物が血を邪魔する) 化痰薬が必要です。(二陳湯、温胆湯、半夏厚朴湯等)
この様に生理不順は上記の色々な原因が複合して起こります。

生理痛は上記の生理不順の原因と重なる事が多いです。
特に冷えは生理痛を起こす事が多いです。
痛い時に、おなかをさすったり、腹巻や温熱カイロ等で楽になる方は、ほぼ冷えに原因があります。
出血の中に血の塊が多くある場合、瘀血が強く関与しています。
瘀血の痛みの特徴は、針で刺したような刺痛もしくは激痛です。
こうした事をふまえて上で、痛みを止める漢方薬が必要です。

理気止痛(安中散)
活血薬(桂枝茯苓丸、桃核承気湯、通導散、折衝飲、牛膝散等)
柔肝薬(芍薬甘草湯、桂枝加芍薬湯、当帰建中湯等)

生理不順も生理痛も同時に治さなければいけません。
子宮内膜症等でホルモン治療をされている方でも、ホルモン剤無しで過ごす事が可能になる方が多いです。