Q&A

漢方薬局の漢方薬と病院でもらう漢方薬の違いはありますか?

病院で出される漢方薬は、主にエキス剤と言われる粉状の漢方薬になります。
一方、漢方薬局で出す漢方薬は主に煎じ薬になります。(勿論、エキス剤もあります。)
エキス剤は、煎じ薬に比べ効力が劣ってしまいます。
更に大きな違いは、病院で出される漢方処方は全漢方処方の一部に限られており、漢方薬局では医療用漢方にない処方も多くあります。
例えば(黄耆桂枝五物湯、加味四物湯、沢瀉湯、柴芍六君子湯、味麦地黄丸、杞菊地黄丸、知柏地黄丸、明朗飲、連珠飲等々)
この医療用にない漢方薬は病院では保険適用されていないので、エキス剤しか処方しない医師はこれらの処方を知らない事も多いです。
漢方専門でしかお出しできない処方は応用範囲が広く、よく使われます。

漢方薬の費用はいくら位するのでしょうか?

漢方薬の費用は使う生薬により様々ですが、
木村漢方薬局における費用は相談料、調剤料等全て含んで 大人 1日分(エキス税込770円、煎じ薬税込880円) 12歳以下の小学生 1日分(エキス、煎じ薬ともに税込660円)2週間分を基本としてお出ししておりますので、2週間分で大人(エキス税込10780円、煎じ薬税込12320円)となります。 ガンや白血病等難病の場合は、別途ご相談ください。

ご相談のみの場合、相談料2200円(税込)を申し受けますのでご了承ください。

費用に関してはそれぞれの価値観によって違うと思いますが、あまりにも高額な治療費を除いて健康になる為の自分自身への投資と考えてみてはいかがでしょうか?

保険診療における問題点

保険診療による漢方治療は、保険が使われるので一般の保険治療と同じくらいの治療費で済みます。
しかし、最大の問題点は保険診療している先生の多くが東洋医学的診察をしているわけではなく、西洋医学の病名をもとに漢方処方している事です。
病名をたよりに漢方薬を処方すると、東洋医学的には全く反対の処方になったり、効果が出ないばかりか合わない漢方薬を処方されたりします。中にはこのように処方された漢方薬のために思わぬ副作用が出る事もあります。
また漢方薬を保険適用するには何かと制約が多く、実際の漢方治療においては、この保険という枠組みの中で決められた漢方薬しか使用できなくなっているので、真の漢方治療が出来ない事が多くあります。
保険と言う枠組みの中では薬の値段が決められてしまうため、品質の良い生薬(産地や栽培方法、効果や安全性等)を使用出来なくなり、効果を十分に出せない事があります。
生薬の質は漢方薬の効果に直結しており、生薬の優劣によって治療効果が全く違って来ると言っても過言ではありません。
真の漢方治療を望んでいる先生が保険を使わずに、自費診療制にするのはこの為です。
逆に言えば、自費診療をしている先生は生薬の事を良く知っていると言ってもいいでしょう。

漢方薬には、副作用はないのですか?

最近では西洋医の先生も漢方薬を処方する事も多く、漢方薬の見直しもされております。
しかし漢方薬もお薬ですから、主たる作用が有るという事は副作用も有るという事になります。
ただし、重篤な副作用はあまり無いと思っていただいて結構です。
漢方薬は各個人に対して処方されるお薬ですから各個人の体質に合わせる、つまり中医学でいう弁証論治に従って処方される薬は副作用を起こさない様に処方されます。
しかし、まれに間質性肺炎等を起こす事も報告されるようになりました。
こういった副作用を未然に防ぐ為にも、漢方専門の先生に相談される事をお勧めします。


病院や薬局で購入した薬と併用してもいいのですか?

基本的に漢方薬と新薬との併用はさしつかえないと思います。
但し、ある種の薬は漢方薬との併用により低カリウム血症や間質性肺炎等が現れる事があるので服用する時は現在服用している薬を持参の上、必ず担当の先生か中医学または漢方専門の先生と相談してください。
また、漢方薬を服用すると病院の薬を急にやめてしまう人がいますが、これは危険な場合が多くむしろ病状の悪化を招く事もあるので注意が必要です。
例外として最近では病院でも漢方薬を処方する先生も増えてきていますので、漢方薬どうしが重なる事もあります。
いずれにしても漢方薬を服用する場合、担当の先生か中医学または漢方専門の先生とよく相談の上服用してください。


漢方薬は長く飲まないと効果が出てきませんか?

薬の効果に関しては、その人の体質や病気になってからの期間によって違いますので一概には言えませんが、風邪等の急性病に関して言えば1~2日で効果が現れる事が多いです。
慢性病でも非常に短期間で効果を実感出来る事もあります。
ただ慢性病の場合、病態自体が複雑化している事が多く、効果が現れるのに時間がかかる事が多いのも確かです。
漢方薬は一般的には2週間分位で様子をみます。2週間で様子を見て漢方薬の調整が行われます。
つまり長く飲めば良いというわけではなく、病態をしっかりと把握したうえで処方された漢方薬を飲めば比較的早く効果が現れやすくなります。


漢方薬と民間薬の違いは何ですか?

一般的に漢方薬と民間薬は混同されて理解されている様です。
民間薬は、ドクダミやゲンノショウコ等の古くから伝承された薬草の事を言います。
特徴としては1種類あるいは2~3種類の薬草を使用し、体質を考慮せず病名をたよりに使用される薬草を言います。
反対に漢方薬は、古典の医学書に基づいて病態の認識をし、その人の病態素因を重視した処方を用いる東洋医学であります。
一つの処方に約6~12種類位の薬草を使用し、薬草を単独で使用する事は一部例外を除いてありません。
漢方薬は患者さんの体質に応じて処方が違いますが、民間薬は病名をたよりに使用するので、病名が同じであれば皆同じ民間薬を使用します。


漢方薬を服用中ですが、鍼灸等の治療を受けても良いですか?

もちろん大丈夫です。
鍼灸医学も東洋医学の一つで中医学とは切っても切れない関係に有ります。
中医鍼灸では基礎理論が同じですから、鍼灸治療をする事により相乗効果が期待出来ます。
また日本での鍼灸治療はいろいろな流派が有りますが、自然治癒力を向上させ病気の根本を治す点で共通しておりますので、やはり相乗効果が期待出来ると思います。


漢方薬はどのような種類が有り、どのように服用するのですか?

漢方薬には煎じ薬、散剤、丸剤、軟膏、エキス剤等多くの種類が有ります。
基本的には煎じ薬になります。

煎じ薬は1日分の薬草を指定された量の水に入れ、とろ火で約半量になるまで煎じあげます。
こうして煎じあがったお薬を一日3回食前または食間に服用します。
例として葛根湯等があります。

散剤は薬草を直接粉末状にした物で、やはり一日3回食前または食間に水または温水で服用します。
例として五苓散等があります。

丸剤は薬草をこねて丸薬にした物でやはり一日3回食前または食間に水または温水で服用します。
例として八味地黄丸等が有ります。

軟膏はゴマ油等と薬草を混ぜて作ります。例として紫雲膏等が有ります。

エキス剤は煎じあがったお薬を凍結乾燥等の処理をして作ります。
簡単に言うとインスタントコーヒーの粉末みたいな物です。
現在漢方薬といえばこちらの方が多くなっているかもしれません。
一日3回食前または食間に水または温水で服用します。
ただし効力は煎じ薬より落ちてしまいます。
携帯用として使用すれば非常に便利です。


漢方薬はどのような病気に効きますか?

漢方薬が効く病気は、「ほとんどの病気に有効です」というのが答えになってしまいます。
なぜなら中医学では病名を目標に薬を使うわけではなく弁証論治というその人個人の病態素因や病気を起こしている病因病機を重視し処方を考えるので、全ての病気は体の歪み(陰陽のアンバランス)が起こした結果といえるのです。
よって病名は参考にはしますが、病名にたよって薬を決めるわけではないのでほとんどの病気の根本原因の改善に有効であると言えます。


漢方薬に合う人と合わない人がありますか?

漢方薬は基本的にその人その人に合わせる為、合う人や合わない人があるという事はありません。
よく耳にするのですが私は漢方薬が良く合ったけど○○さんには合わなかったみたいと、これは漢方薬が合わなかったのではなくその人の漢方処方が証に合ってない可能性があるという事なのです。
この場合もう一度再弁証をして薬を合わせていく必要があります。