更年期障害

女性の更年期障害は、閉経を迎える年齢である49歳前後に起こる不定愁訴です。

更年期

 

急激な発汗やほてり(ホットフラッシュ)、イライラ、不眠、やる気がない、動悸、頭痛、めまい等が起こります。

ご本人は体がだるくて動けなくなるのですが、周りの人から見るとまるでだらしない生活をしているかのように誤解される事もあります。

 

更年期

 

この病気の事を知らない人は、更年期障害だとわからないので益々ひどい事を言ったりします。

ご本人は非常につらい思いをされている事でしょう。

西洋医学ではホルモン補充療法を行いますが、ホルモン剤を投与されると体調不良が起こったり、乳がんのリスクが高まったりします。

 

東洋医学的には、閉経を向かえると「腎(生命の根源)」の精が不足すると考えます。

また東洋医学で言う五行説では、親である「腎」が不足すると必然的に子である「肝(血を貯蔵している)」も弱ってしまい、肝陽がひとり昇ってしまい、ホットフラッシュ、動悸、めまい、イライラ、不眠等を引き起こしてしまいます。

「肝腎かなめ」と言われるように、両方が弱ってしまうと色々な不調を引き起こします。

更年期を乗り切るには、この「肝腎」をいかにしっかりとさせるかにかかっています。

また、西洋医学にはない概念である「瘀血(おけつ)」も関わってきますので総合的な漢方療法が必要となります。

つらい更年期を有意義な時間に変えて、人生を楽しみましょう。

漢方的な主な原
腎精不足(加齢に伴うエネルギー不足) 腎精を補う漢方薬が必要です。(八味地黄丸、杞菊地黄丸、味麦地黄丸、六味地黄丸等)
肝気鬱結(ストレスに伴う気の滞りと化熱) 疏肝と清熱の漢方薬が必要です。(加味逍遙散、抑肝散陳皮半夏、柴胡加竜骨牡蠣湯等)
血虚や陰虚(血の不足や陰の不足による化熱) 補血や補陰の漢方薬が必要です。(四物湯、七物降下湯、滋陰降火湯等)
瘀血(血流障害による汚れた血液が多い))活血の漢方薬が必要です。 (桂枝茯苓丸、桃核承気湯、通導散等)
これらが複雑にからみあった病態が多いので、体質に合わせた漢方薬が必要です。

 

 

男性更年期障害

男性更年期

 

男性にも女性と同じように更年期障害が起こります。

性欲減退、ほてり、うつ症状、やる気がおきない、疲労倦怠感等が起こります。

男性も肝腎の弱りが原因となりますが、特に「腎」の弱りがこの病気の主な原因になります。

腎を強めると、生きがいや、やる気が出てきます。

腎には陰陽の別が有りますので、体質に合わせて漢方薬を合わせる必要があります。

仕事に私生活に漢方薬をお役立てください。